雑木の庭でつくる、心地よい空間 ②

雑木の庭でつくる、心地よい空間 ②

こんにちは。FORUMの大原です。

前回に引き続き、「雑木の庭」についてお伝えしていきたいと思います!
もしまだ「雑木の庭でつくる、心地よい空間 ①」を読んでいない方がいれば、ぜひ合わせてこちらも読んでみてください(^^)

さて、今回は「昔の家から学ぶ知恵」をテーマにお話ししていきたいと思います。

昔はもちろん、エアコンなどの空調設備はありません。
だからこそ、家のつくり方や外の環境を利用した快適な住まいをつくる、たくさんの知恵が生まれました。

せっかく昔の人が生み出した快適な暮らしのヒントを見逃すわけにはいかない...!
ということで、実際にどのような知恵があったのでしょうか?

かつての日本で一般的な民家といえば、茅葺き(かやぶき)の家でした。
蒸し暑い真夏でも、茅葺きの家に入るとエアコンが効いているわけではないのに、不思議とひんやりとした空気を感じる体験をしたことのある人もいるかと思います。

茅葺き屋根の家_s.jpg

茅葺きの家ですから、やはり屋根にポイントがあります。

何層にも重なった分厚い茅葺きの屋根は、直射日光を遮るだけでなく、茅葺きに含まれた水分がゆっくりと蒸発することで、気化熱を奪い、室内を涼しくしてくれます。
冬になると、囲炉裏やかまどが暖房の役割を果たし、さらにその熱により茅が燻されるので屋根が長持ちしたそうです。

また室内で薪や炭を燃やすため、煙を逃がす必要があります。
天井に竹すのこなどを使用することで、煙が屋根裏に抜けていくように工夫されていました。
この屋根裏へ空気が流れる工夫により、夏には暑い空気を逃がす効果もありました。

茅葺き屋根の裏_s.jpg

なんだか全く無駄のない工夫がされていて、感心してしまいますね...(*'ω'*)

他にも深い庇(ひさし)は、夏に直射日光が差し込むのを防ぎ、庇の下の縁側によって外部の熱気が室内に侵入するのを遮ります。
逆に、日の差し込み角度が浅くなる冬の間は、南側の縁側を通して日差しが取り込まれるように工夫されていたようです。

昔の家は、このような家のつくり方による工夫だけでなく、周囲の環境を利用した家の配置や屋敷林による、住まいの環境改善もされていました。

例えば、屋敷林は一般的に家の西側や北側に配置されます。
仮に周囲に山や森があれば、家の西面や北面を林に寄せることで、南側に開放空間をつくる建て方がされました。

この建て方が、冬の北風や夏の西日を防ぐといった機能を果たしていました。
さらに夏には屋敷林で冷気が蓄積されるなど、住まいの環境改善にとってとても大切な役割がありました。

それに対し、現代の住宅はどうでしょうか?


住宅街_s.jpg

隣家と密接して建てられることが多く、昔の民家のように西側や北側に林を設けるような場所はなくなってしまいました。
いくら空調設備などが整った住宅を建てられたとしても、昔のような風情ある街並みではなく、本当に心地よい空間があるようには思えないですよね...。

最近はニュースなどで「SDGs」という言葉をよく耳にするようになりました。
レジ袋が有料化されたように、これからの時代は、低炭素社会、持続可能な社会をつくっていく時代です。
そのためにも、街のあり方、住まいのあり方を考え直す良いタイミングにきているのかもしれませんね...!

さすがに昔の民家のような、茅葺きの家に住むことは難しいですが...
効果的な植栽によって、現代の住宅でも快適な住まいの環境をつくり、さらには愛着の感じられる街並みをつくっていきたいですね(´―`)


※サムネイルの写真画像は全国各地のGARDENS GARDEN ネットワーク加盟工務店が施工した物件を撮影したものを同ネットワーク全体の広告宣伝のために使用しているものであり、当該物件が特定の工務店等の施工物件であることを保証するものではありません。